ウツのみこ(オッサン)
ある日突然ウツになってしまった僕。
最近預かりしらぬスキャンダルに巻き込まれた有吉弘行さんが、「まるで狐につままれたよう」とコメントしてましたが、こちとら化け狐に頭くわえられたような衝撃でした。
ウツの症状というのは本当に人それぞれで、患者さんによって違います。
軽いウツの場合、自分がウツなのかどうか判断つかない場合があるようですが、僕の時は完全にウツになったと自覚できましたね。
まあ~、気持ちが持ち上がらない、一切。
かかって最初の2、3日に現れた症状は、湧き上がる不快感。
ウツの気分というのは、ホントに言葉に出して表現するのが難しい、というか、しっくりくるものがないのですが。
その苦しんでる最中に考えた例えが、「常に歯医者のドリルで歯を削られてる感じ」というものでした。
あの駆動音の不快さと体の一部を削られる感覚、そしていつ耐えがたい痛みに襲われるかと気を抜けない恐怖。
そんな不快感がウツの最初の洗礼でした。
その後に現れたのが絶望感。
プリキュアなどで、敵が町の人々に絶望を与えて苦しめる、という描写がよくありますが。
前まではそういうシーンも、直接暴力を振るわれる訳じゃないから大した実害ないよな~、子供アニメだから敵さんも優しいもんだわ~、という感想でしたが。
いざ自分がウツになり、絶望に囚われる恐ろしさを知ると。
コワッ!プリキュアの敵コワ!もう悪魔じゃんコレ!2・3発殴られたほうが遥かにましだわ、子供に見せていいのかよ!こんなの!
となってしまうぐらい絶望感とは嫌なものなのですよ。
頑張って例えてみると、いきなり理由も聞かされずに、暗い地下牢に閉じ込められるような感覚です。
どうしてこうなったのかも分からず、いつ出られるかも判らず、いつ食料を貰えなくなるかも解らない。
そんな先のことが一寸先も見えない、恐ろしい牢獄にいるような気分にさせられるのです。普通に部屋にいるだけなのに。
僕の家は、外れとはいえ一応都内にあるマンションの一室で、食べ物もふんだんにありエアコンも付いてて快適なはずの環境、であるのに心は冷たい地下牢にあるのです。
そしてまた別の症状が襲ってきます。
このように僕のウツは、次から次へと新しい苦しみが現れ、一つの苦しみに慣れるということがない。
優秀な拷問の執行人のように休ませることなく、精神を痛めつけるのでした。
そして次にくる症状。これがオタクである自分を何よりも苦しめることになるのです。